Sa Chouchou (1) / 短編小説

「シュシュ」…は、ずっと私たちの心のなかで生き続けている

 その銅像は、真っすぐ前を見据えて、そして強く大地に立ち上がっていた。僕は銅像の支柱に書いてある文字を見た…が、”Sa Chouchou”?異国の言葉で全然分からない。 

 街のひとに聞いた。
「これは、我々にとって偉大なひとの像さ。でも残念ながら、私もそれくらいしか知らないんだ。あと、分かるのは―――」

 僕はその先を聞いて驚いた。支柱の文字を間違って発音していたのに気づいたからだ。

「―――この銅像に飾られた髪飾り、『シュシュ』…は、ずっと私たちの心のなかで生き続けていることなんだ」

 もう一度、銅像を見上げる。街のひとの言葉の詳しいことは分からない。このとき、「シュシュ」という言葉を初めて知った。それは、男の僕には、いままで未知のものだった。この銅像を見て、なんとなく女のひとのことをちょっと知ったような気がした。それ以上の深い意味は、残念ながら分からない。僕は、旅をしてこの街に辿り着いて何を得るのだろう?

 僕は支柱の文字を書き写し、詳しく調べることにした。たぶんこの銅像との出会いは、この旅で大きな出会いとなるだろう。きっと転換点になるに違いない。これは…旅人の予感だ。この旅の記録を読んでいるあなたも、きっと何かに気付くに違いない。

 …そうして、旅の記録の1ページを開いた。

投稿者: lute369

生きている限り、学ぶこと。それが私のすることです。 Dum spiro,disco.

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