なぜ、怒りが湧いてくるよりも悲しみが堰を切ったようにやってくるか、私はいままで熟考することはなかった。それは私の心にある、いかなるものによるのだろう。それが分からぬままの調子では、進むにも進めないと思われる。ゆえに、この続きを読む “ペペロンチーノ”
投稿者アーカイブ:lute369
「雲に君見む」3-1
三、想像にまかせる 夢にジャミングが走った。 一人暮らしをしていたころから、たびたびそういう不連続な夢の境界線が走ったことがあった。隼人はまた例のか、と思った。彼にとっては日常茶飯事の出来事だった。 心のことは、どうなっ続きを読む “「雲に君見む」3-1”
「とりあえず、やってみたら?」
難題は、ひとを試す。ひとは、難題を創ろうとする。しかし、自然界の法則には簡単にはいきつかない。ひとは、思弁する。しかし、その考えを共有する術を知らない。 ここに、ひとつのカメラがある。通称、「アイ・カメラ」。目(Ey続きを読む “「とりあえず、やってみたら?」”
「雲に君見む」2-6
「悲しいわ、とても。なぜ〈夜と霧〉を題材に選んだの? せっかくのおいしいワインが台無しよ」 真衣は陽気で美しく、そして正直な女性だ。楽しいときには楽しいと言うし、悲しい時には悲しいと言う。決して嘘などつかない女性だ。いつ続きを読む “「雲に君見む」2-6”
「雲に君見む」2-5
なんだか、フランス映画のなかにいるようだった。愛と郷愁。自由と革命、科学と平和、美とワイン、流音と鼻の高さ、そして、白と黒の世界。 一般教養を受けた頃から今現在にいたるまで、特にフランス文学に慣れ親しんだわけではない。フ続きを読む “「雲に君見む」2-5”
「雲に君見む」2-4
「白と黒の世界」隼人はふと、つぶやいた。 これらは、いったいなんだ? 白い炎と黒い炎という表現は、とっさの表現とはいえ、あとからその二つの像を見ていてもずっとそう思えた。炎と呼ぶにそれらはふさわしく、像の底部から上部にか続きを読む “「雲に君見む」2-4”
「雲に君見む」2-3
「ラテン語に出会ったのは、大学三年の夏のときでした。当時は四年にあがるときに単位が足りないということで、長期休暇の時に開講する特別講義を受けてばかりいました。早熟の子どもとどう接するか、という特別講義も受けたことがありま続きを読む “「雲に君見む」2-3”
「雲に君見む」2-2
音楽は、ひとそれぞれ好みがある。早いテンポで曲調の変化が激しい曲を好むひともいれば、隼人のように長く壮大で聞きごたえがある曲を好む場合もある。自身の好みを、他のひとからああだこうだと言われる筋合いはない。だいたい、ああだ続きを読む “「雲に君見む」2-2”
こころのかたち
私は、LEONのよう。 パソコンのモニターを凝視して、必死になってPythonプログラムコードを追う。過去の自分、例えば3年前の自分は、3年後(つまり現在だ)に、へび使いの見習いなっていることを想像できただろうか。いや、続きを読む “こころのかたち”
時代の波に乗るということ
時代に乗るとは、こういうことか。 どういった形でその世界に入ったのか、もう覚えてはいない。ただ当時の私は、知識を得ることがなにより生きることと直結していた。知ることは生きることだとさえ強く思っているから、私は知ることを求続きを読む “時代の波に乗るということ”