「どんなものでもかまわない」 喫煙室から出てきてソファに座りながら河合はそう言った。ソファ。喫茶店の奥にある、VIP席で、僕と河合は面談していた。 「本当にどんなものでもかまわない」 河合は両手をテーブルにのせ、組み、そ続きを読む “世界へのデビュー”
投稿者アーカイブ:lute369
冷めすぎないうちに、生きる
ここに一つの問題がある。 私はいまコーヒーを飲んでいる。カップいっぱいに注がれたコーヒーは、周囲に熱を伝える。コーヒーの量に応じた熱を、伝えているのだ。熱は、温度が高いところから低いところへ流れる。例えば、風呂場の浴槽に続きを読む “冷めすぎないうちに、生きる”
わかりあうこと
自然はひとを詩人にする。 数学はひとを詩人にする。 ひとは自然を破壊した。 ひとは数学を回避した。 詩人は全てを橋渡しする。 詩人はなにも破壊しない。 全ては言葉であり、 それは橋渡し以外の なにものでもない。
火曜日、プログラミングの日
いま、私が学んでいるもの。それは、プログラミングです。ツイッターでも呟いておりますが、VBAとPythonをかじり始めてはや半年が経とうとしています。そうですね、VBAの学習書を読んでからPythonを本格的に学ぼうと思続きを読む “火曜日、プログラミングの日”
「雲に君見む」の世界
どうぞお楽しみに。
「雲に君見む」2-1
二、音楽祭 さあ、ジゼルにテレーゼ。出番だよ。 隼人の書く小説によく登場する二人の女性の名前。函館湾を一望するカフェのマストレスは言った。 「隼人さんの書く話に出てくるひとの名前は、みなお洒落ですよね。小説が出来上がっ続きを読む “「雲に君見む」2-1”
「雲に君見む」1-5
いま、日本海は走っていないけれど。隼人の心のなかでは、富山湾と函館湾をいつでも往復することができる。大学生だった頃を、たまに思い出す。つらい思い出も確かにある。そんな時に隼人はよくアエネーイスの一節を好んで引いたものだっ続きを読む “「雲に君見む」1-5”
「雲に君見む」1-4
富山県の大学に通っていたころを思い出した。 あのころ、おれは生きていただろうか? 熱中できたことはあっただろうか? また、難しい問いが隼人を考えさせる。大学生だったころは、友人が、悩みすぎる彼を見かねて、よくビリヤードを続きを読む “「雲に君見む」1-4”
春雨のご様子
冬の後、夏の前に。ウェルという季節に、雨が降った。 先々週に、リリィという女性と会った時のことだ。私は店に傘を置き忘れた。このことは一体何を意味するのだろう。あまり深く考えない方が良いようだが、私はものごとを深く考える職続きを読む “春雨のご様子”
夕刻の長椅子
お気に入りの喫茶店で午後を過ごす。来る前は疲れていたが、店を出た時に気持ちがスッキリする。そんな理想上の店みたいな空間が、いまここにある。それは、なんてすばらしいことなんだろう。私は、私を囲む環境に恵まれているほう、なの続きを読む “夕刻の長椅子”