Sa Chouchou (10) / 短編小説

 ぱたりと旅の記録を閉じ、僕はもう一度、銅像を見上げた。「これが、あの像だったなんて…」 思わず声が漏れる。  確かに、この記録の通りに、世界は変わった。ロステンバウムの森は再び緑が満ち、木々はかつてよりも力強く枝を伸ば続きを読む “Sa Chouchou (10) / 短編小説”

Sa Chouchou (9) / 短編小説

4.未来の糸-後編  山の入り口からすでに、紫の影が木々の間を這うように漂っていました。しかし、シュシュポッセは今度は負けません。彼女の髪に結ばれたシュシュが、影の気配を強く弾いていたのです。彼女は、静かに、山の奥へ進み続きを読む “Sa Chouchou (9) / 短編小説”

Sa Chouchou (8) / 短編小説

4.未来の糸-前編  工芸の街、ガヴェンス。 ガヴェンスには、大小さまざまな職業ギルドが立ち並んでいます。ガラス工芸ギルド、金属加工ギルド、染色ギルド、木工ギルド、聖水を扱う水術ギルド、そして街の中心にある創造ギルドなど続きを読む “Sa Chouchou (8) / 短編小説”

Sa Chouchou (7) / 短編小説

3.湖底の真実-後編  老人はロッキングチェアを揺らしながら、湖底の静寂に溶けるような声で語り始めました。「ここファガ・リンクスは、水を祭る湖のなかの村じゃ。水は、いろいろな形態をとり、可能性に溢れている。それゆえに、ヴ続きを読む “Sa Chouchou (7) / 短編小説”

Sa Chouchou (6) / 短編小説

3.湖底の真実-前編  砂漠から北方への旅は、そんなに簡単なものではありませんでした。砂漠は狂おしいほどの温度差があります。昼の燦燦たる日差し。夜の冷たい生気のない冷気。一方、北方は年中、簡単にひとの心を凍らせる。それは続きを読む “Sa Chouchou (6) / 短編小説”

Sa Chouchou (5) / 短編小説

2.砂漠の影-後編  ダブリンとシュシュポッセは、砂漠の風が吹き抜けるゴルドクーンの街を歩きます。市場の喧騒、水を求める旅人たち、絨毯を広げる商人たち。シュシュポッセはそのなかに僅かな影を感じ取っていたのでした。  砂の続きを読む “Sa Chouchou (5) / 短編小説”

Sa Chouchou (4) / 短編小説

2.砂漠の影-前編  強く、そして煽るような、ゴラージュ砂漠の砂嵐に六回遭って、遭いましたが、それでもシュシュポッセは負けませんでした。フードを目深にかぶり、額に手を添え、地図もなくどこを歩いているかも分からないままでし続きを読む “Sa Chouchou (4) / 短編小説”

Sa Chouchou (3) / 短編小説

1.森と出会い-後編  カレアは森を畏れていました。未熟な自分が、という思いが強かったのです。でも、いまはちがいます。シュシュポッセが編んでくれたシュシュのおかげで、不思議と勇気が湧いてきます。森へ、入れるようになったの続きを読む “Sa Chouchou (3) / 短編小説”

Sa Chouchou (2) / 短編小説

1.森と出会い-前編  ここは、若い森の街、ロステンバウム。森は広く、いくつかの集落が点在していました。そのなかでもロステンバウムは比較的新しい集落で、大きい…集落というよりは、立派な街と言っても過言ではありません。家々続きを読む “Sa Chouchou (2) / 短編小説”