居酒屋『在り処』に着いたぼくたちは、5番テーブルでゆっくりとした時間を過ごしていた。5番テーブルが一番落ち着けることをぼくは知っていた。「もし良かったらさ―――」ぼくはできるだけ声のトーンをゆっくりにして言った。「―――続きを読む “みそらの歩き方(3) / 短編小説”
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みそらの歩き方(2) / 短編小説
バー「MISORA」で、ぼくたちは過ごしていた。外は少し湿った夏の夜。空には、薄い巻雲が月の光を受けて淡く光っている。木元はグラスを持ったまま、ふと窓の外を見ていた。 「昼の雲とは、全然違いますね」ぼくは少し笑ってしまっ続きを読む “みそらの歩き方(2) / 短編小説”
みそらの歩き方(1) / 短編小説
「あなたが空を見上げると、ほら! いつの間にか『彼ら』はそこにいる。彼ら―積雲というんだが―今日もみそらを歩いている。彼らはいつの間にか現れ、そしていつの間にか消えている。せつないかもしれないが、でも、彼らは『生きている続きを読む “みそらの歩き方(1) / 短編小説”
あの浜辺で待っている
約束をしたね、とても大切な約束さ。 どんなに孤独でも、心の問題に真正面から向き合った。 私もかつては孤独だった。もしかしたら今も孤独なのかもしれないけれど。 ひとにどうされようが、自分を貫いた。 自分とは何だろう、いまだ続きを読む “あの浜辺で待っている”
クッパの家庭事情
なんだか、日常で周りに「いやだな」と感じているひとはいないだろうか。私は二人ほどいる。ぶっちゃけてしまうと、視界にいれたくないくらい嫌っている。相手のことを考えずに暴言を吐く彼らのことを考えたくないから、この記事で彼らの続きを読む “クッパの家庭事情”
麦茶の置き方
たまには休憩したらどうだい、と私のなかの大人は言う。 いま私の部屋の外からは雨が降っているのが見える。しとしとと、またはぱらぱらと降っている。北海道は、夕方にかけて大雨が予想されている。 休むわけにはいかないよ、と私のな続きを読む “麦茶の置き方”
あなたの仕事は生きること、
連日のダウンから今日で3日目、病み上がりにこの投稿をする。 最近、あるひとに質問された。 「生涯ずっと嗤われるのと、生涯ずっと怒られるの、どっちがいい?」 多くのひとは、「どっちもいやだ」と答えるだろう。しかし私は生まれ続きを読む “あなたの仕事は生きること、”
ぎりぎりの稜線
5月も半ば、毎年この時期はわくわくする。わくわくに辛い思い出は必ず伴うものだけど、いまの時期は特別だ。起きる時間は早めで6時くらい。寝る時間は遅くて0時くらい。日光が自然と私を目覚めさせ、眠くなってきたら自然に眠る。そう続きを読む “ぎりぎりの稜線”
リアルポジション
今年も、桜が満開になる季節がやって来た。毎年この時期になると、ブログで同じことを書いている気がする。しかし、それでいいのだ。 春はどうしても落ち着かず、だった。私は一か月ほどの季節の変わり目でしばらく体調を崩していた。熱続きを読む “リアルポジション”
Sa Chouchou (10) / 短編小説
ぱたりと旅の記録を閉じ、僕はもう一度、銅像を見上げた。「これが、あの像だったなんて…」 思わず声が漏れる。 確かに、この記録の通りに、世界は変わった。ロステンバウムの森は再び緑が満ち、木々はかつてよりも力強く枝を伸ば続きを読む “Sa Chouchou (10) / 短編小説”