なんだか、日常で周りに「いやだな」と感じているひとはいないだろうか。私は二人ほどいる。ぶっちゃけてしまうと、視界にいれたくないくらい嫌っている。相手のことを考えずに暴言を吐く彼らのことを考えたくないから、この記事で彼らのことを思い出しているいまもいやだと感じている。
クッパ、とは…マリオをプレイしたことがあるひとなら知っているだろう。そうだ、あのクッパだ。クッパは火を吐く。ピーチ姫をさらう。作品によっては、もっと嫌なことをする。子どものころは、まず大抵の子どもがそうであるように、私もクッパを嫌っていた。ごく少数、「クッパは強い」と憧れを抱くひともいるようだが、それはそれで別の話題である。
「スーパーマリオブラザーズ3」では、そんなクッパに、コクッパと呼ばれる子ども?手下?が登場する。設定はどうあれ、私はそこで驚かされることになる。私は反射的に、「クッパにも子どもがいたのか」と思った。クッパにも、コクッパを養わないといけない家庭事情があるわけだ。
嫌いなひとの背景は考えない。しかし例えば1-1で歩いてくるクリボーにも家庭事情があるのだ。同じくノコノコにも、ハンマーブロスにも、ゲッソーにも。そういう人物の背景をひとたび考えると、途端にその敵キャラが愛おしくなるのは、私だけではないはずだ。
だがしかし、現実で嫌いな二人はどうだろうか…。暴言という名の火を吐くし、嫌なことだってする。しかし、クッパの家庭事情のような背景が彼らにもあるなら…。嫌だと思うレベルが、少し薄れてくる。
しかし私は、薄れてくるからと言って無理に距離を縮めようとは思わない。嫌いなひとをわざわざ好きになる必要はない。薄れてきた分、ほんの少し…自分の心が軽くなるということだ。
「我が子らよ。晩御飯ができたぞ、冷めないうちに早く食べてしまいなさい」
「父ちゃん、明日、また仕事だよね。マリオにやられる役がんばってね」
「ああ、ありがとう、みんな。明日も稼いでくるからな」
「母ちゃん、天国で応援しているよ、父ちゃんはこんなにぼくらのためにがんばっているもの」
「…さあ、食べたら早く寝なさい」
こういうセリフを想像しているうち、なんだか泣けてくるものである。ゲームキャラに関して言えば、嫌だと思うキャラは、背景を考えることによって嫌じゃなくなるようだ。現実では、悲しいことにそうではないのだが…。